大分県中小企業家同友会の別府支部例会にて、
別府市長の長野恭紘氏の講演を聞きました。
長野市長といえば、昨年クラウドファンディングを活用し
別府の遊園地と温泉を組み合わせた『湯〜園地』を提案。
約8200万円の支援金を受け実現。
講演で、湯〜園地3つの戦略が語られました。
- 今あるものを掛け合わせて新しいものを作る
- 公約連動型ムービーで見て終わりではなく徹底的に巻き込む
- クラウドファンティングでお金も出してもらう
マーケティング視点で興味深いのは1について、
「新しいものをよそから持ってきて行うとブームで終わるが、
もともと別府にある『遊園地・ラクテンチ』と『温泉』を
組み合わせて新しいものを作ればブームではなく文化、遺産と成る」
という言葉でした。発明は、何かと何かの組み合わせであることがわかります。
広報で気になったポイントは、
「マスコミに取り上げられて、Youtube動画のアクセスは今でも伸びている。
宣伝効果を金額にすると120億円。ちなみに直接経済効果は1億8千万。」
という数字の所。間接的な経済効果の算定が難しいとはいえ、
宣伝効果費用のうち、1%しか直接経済効果がない所が気になります。
また湯〜園地を次回開催する予定はないようなので、
今回の『湯〜園地』ファンが別府にリピートする仕組みが見えない点。
湯〜園地のような新しい取り組みを好む方は、
他の新しい取り組みがあれば流れていく浮遊客。
広報は、最初に「おや?」とつかむことが重要ですが、
その後の戦略がなければ次に繋がりません。
宣伝効果120億円の「おや?」が次にどうなるのか、
定点観測をして勉強していきたいと思います。