企業発展に必要なことは、
商品を絞り込むこと + キメ細やかな顧客との接触
であることが実体験を通した経営者の生の声より分かりました。
昨日『第25回経営フォーラム』(主催:大分県中小企業家同友会主催)で、
高齢者・障害者用ケアシューズの企画・製造・販売会社である
徳武産業の十河孝男会長の講演を聞きました。
ニッチな商品誕生の経緯(商品開発)
創業60年を迎える徳武産業さんは、
創業時は手袋製造・販売、
その後、シューズ製造の下請けを経て、
季節にも元請け企業にも影響を受けない、
自社ブランドを作ることを決意。
市場調査で、社長や社長夫人自ら取材をして、
左右の足のサイズが違う人のニーズなどを知り、
高齢者・障害者用シューズに商品を絞り、
リスクの高い片足販売を始めました。
誕生祝いハガキを2年連続で送る(接触:広報)
ただ靴を販売するだけではなく心を込める、との思いで、
購入者の誕生日には、スタッフの手書きのお祝いハガキを郵送する。
お客様への思いと、プラス買い替え時であることを
伝えることもできる。1ヶ月3000通郵送すると、
300通は返信の便りが届くそうです。
靴は人生を変える
麻痺が残り、通常の靴では何もないところで転んでしまう人が
徳武産業さんの靴で転ばなくなった。
3年間歩いていなかった、車椅子の90歳のおばあさんが、
徳武産業さんの靴を履いて歩いている人を見て、
あの靴を履いて歩きたいと、歩くようになった。
十河会長が「靴は人生を変える」とおっしゃっていましたが、
ニッチ商品の開発と顧客との接触が、企業発展に必要といった、
ビジネス上の学びにとどまらず、何のために働くのか、
生きるのかという大切なことを学ばせていただきました。