利益を上げることと働きやすい環境の両立

 

電通のような大企業でも従業員の過酷な長時間労働のもとで

事業が営まれている日本の職場の現状。

 

利益を上げることと、働きやすい職場環境作りは両立できるのかと

思っていたところ、両立に実現した企業の話があると聞き、

昨日、大分県中小企業家同友会大分支部6月例会に参加してきました。

 

報告者は、福岡市の拓新産業(株)の代表取締役 藤河次宏氏。

建築工事現場での作業用の足場材のレンタル事業をしている、

拓新産業さんが特に力を入れているのは、働きやすい職場環境作り。

具体的には、

  1. 完全週休二日制への移行
  2. 有給休暇の完全消化
  3. 残業ゼロ、休日出勤ゼロ
  4. 育児休業100%

以上の4項目を28年前から実現。

スタッフの労働時間を圧縮しているのに、事業が成り立っている理由は、

取引先や顧客に合わせるのではなく、自社の働き方に合わせてもらうこと。

 

営業については、大口の顧客ではなく小口の顧客を多数集める。

売上の10%以上の大口顧客があれば、お付き合いは深くなるが、

契約がなくなると困るので相手の要望に振り回されて結果、下請け化する。

下請け化すれば、残業や休日出勤に繋がり、働きにくい環境になる。

拓新産業さんの現在の顧客は、取引が大きいところでも全体の売上の2%ほど。

 

サービスについては、お客様に合わせず拓新産業さんスタイルに合わせてもらう。

営業時間外対応はやらない。

 

社内の仕事内容は、単一の業務を担当者が行うスタイルではなく、

複数の業務を皆ができるようにするマルチタスクスタイルを採用。

一人が一つの業務に専任されていたら休みづらいが、

マルチタスクなら、誰か休んでも他のスタッフが代わりにできる。

週休二日で休めるし、有給も消化できる。

 

利益を上げることを最優先にするのではなく、

社員満足度の高い働きやすい環境作りを最優先にして、

利益を上げる仕組みが作られている。

 

こういうやり方があるのかと驚きました。

 

拓新産業さんはさらに、人材の定着にも力を入れています。
続きは次回のブログで。